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サイバーパンク書籍評論
CyberPunk Review


ここでは、サイバーパンクに関する書籍を紹介します。
攻殻機動隊

著者:士郎正宗
講談社ヤングマガジンKCDX

Efin(筆者)がサイバーパンクに踏み込むきっかけとなった本。とにかく話が圧縮されている上に欄外の注釈が多く、最初はわかりづらいが、実に内容が深く、「百読に耐える」とはまさしくこの事。
内容としては、草薙素子(くさなぎもとこ)率いる公安9課、通称「攻殻機動隊」の活躍を描いた物語。サイバーパンクの世界だからと言えるような犯罪の発生とそれに対する9課の対応や、その雰囲気が「それっぽく」て填る。「THE GHOST IN THE SHELL」として映画化されており、映画版は非常に渋くクールに仕上がっているが、フチコマが登場していないのが大きな要員なのかもしれない。(漫画の方は、ちょっとコミカルタッチでもある)

攻殻機動隊2

著者:士郎正宗
講談社ヤングマガジンKCDX

1巻発売から約10年、ファン待望の2巻は、1巻のラストから4年5ヶ月弱経過したあとの話。主人公は・・・草薙素子の模倣子を受け継いだ「荒巻素子」。大企業ポセイドンの考査部長。世界各所に配置したデコット(遠隔操作ロボット)を駆使していろいろと暗躍するというのがあらましか。約300ページのうち、200ページ近く(すなわち書き下ろし部分)がカラーという非常識本。(価格は1500円)
今回はフチコマに代わって荒巻素子のサポートAI達がいい味を出している(構造解析していいですか?とか)。ハッキング戦闘、電脳空間の描写はすごい。でもエンディング近くの宗教的表現の難解さは相変わらず。初回特典マウスパッド付き。実は2年後あたりにコンプリート版というのがまた出る予定という話も・・・9課の活躍を待ってる人は4巻を待てとのこと。なぜ3巻じゃないの?

ニューロマンサー

筆者:ウィリアム・ギブスン
ハヤカワ文庫

サイバーパンクの名はここから生まれた。これを書いた当時、ギブスンはコンピュータに触ったこともなかったと言うから、彼の想像力のすさまじさを感じる。例の如く読みづらくて取っつきにくいが、その表現力のクールさは高い評価を受けている。Efinはこれを完全に理解するまで読みこなしてはいない・・・

クローム襲撃

筆者:ウィリアム・ギブスン
ハヤカワ文庫

実際のウィリアム・ギブスンのサイバーパンクとしての名が知れ渡ったのはこのクローム襲撃であり、これを元にしてニューロマンサーが書かれたらしい。つまりは、原点中の原点。なお、本としてのクローム襲撃は短編集である。表題作の他に記憶屋ジョニー(映画JMの原作)なども収録されている。

アップルシード

筆者:士郎正宗
青心社

攻殻機動隊より進んだ未来を描いた話。話が書かれ始めたのは攻殻機動隊より古い。しかしながら、それでも色あせない魅力があるのは根底がしっかりしているためであろう。
もとSWAT隊員のデュナンとブリアレオスの二人が大戦後の世界を統一した統合管理局のある人工島オリュンポス(ギリシャにあるわけではない)に入植し、ESWATとして活躍する日々を描く・・・と書いてしまうと簡単だが、内容は実に綿密に書き込まれており、士郎正宗の作るSFアクションの世界のディテールの細かさは政治、経済、宗教などに至るまで考え抜かれており、もちろんメカニックなどのリアリティなどは自然そのものである。1〜4巻、およびデータブック、コミックガイア版アップルシード総集編と出版されている。

BLAME!

筆者:弐瓶 勉
講談社アフタヌーンKC

謎に満ちた世界で、「ネットスフィア」にアクセスできる能力「ネット端末遺伝子」を持つ者を探して旅を続ける探索者「霧亥(キリイ)」を主人公に、サイバーパンクなガジェットのあふれ返る、不気味でいて引きつけて止まない画風が魅力的な作品。2巻からはヒロイン「シボ」も登場。6巻まで刊行中

銃夢(ガンム)

筆者:木城ゆきと
集英社

火星古武術「機甲拳(パンツァークンスト)」を操るサイボーグ少女ガリィの数奇な戦いと恋の人生を描く。次第に空かされて行くザレムの秘密。なにしろアクションの迫力と見せ方は一級品。単行本は完結、愛蔵版は第6巻(DVD付き)で完結のようで、単行本版をと比較して見る限りでは中途半端なところで終わっている、そして話は現在刊行(連載)中の。GUNNM Last Orderに続いている。(単行本版の結末があんまりあっけなかったので、いろいろ書き足りなかったところを加筆して連載しているような感じである)

サイバースペースの決闘

筆者:ジョシュア・クウィットナー、ミシェール・スラターラ、鶴岡雄二/訳
角川書店:1700円

ノンフィクション小説。アメリカのコンピュータネットワーク黎明期からを舞台に活躍するハッカー集団の抗争を描いた話。事実は小説より奇なりという言葉はこの本のためにあると言っても過言ではない。
「サイバーパンク」の意味合いが違うが、物語を書く上でいろいろと参考にしている本の一つ。

 シークレット
   オブ
スーパーハッカー

筆者:ナイトメア 松藤留美子★オフィス宮崎/訳
日本能率協会マネジメントセンター

ハッキングに関する辞書的な本、とでも言えば良いだろうか。実例を元にハッキングの歴史、ノウハウ、考え方、などがいろいろと書かれている。
「ハッカーから身を守るためにはハッカーの手口を知るのが一番である」
BLACK OUT

筆者:渡辺 浩弍
幻冬舎

緻密な考察によって、近未来に置ける極めて現実的なハイテク犯罪の様相と、それを追う主人公、華屋宗一(かや そういち)と中園祥子(なかぞの しょうこ)の活躍を記す、1995年放映の深夜TVドラマのノベライズ。ドラマの方とはエンディングが違うが、果たしてこっちはハッピーエンドと呼べるのか・・・なお、99年11月に刊行された文庫本版の方は、ラスト2章が追加され、ほぼドラマの方と同じになっている。ちなみにEfinはこっちの方が好みである。

EDEN

筆者:遠藤 浩輝
アフタヌーンKC

サイバーパンクというよりも、近未来サバイバルといった感じが強いが、一応紹介。クローサーウィルスと呼ばれる、人間の体表面が硬化する病気が蔓延した世界以降で、1巻の大半を占めるプロローグでは主人公の父親エノアに、本編ではその息子エリアに焦点を当てて、登場人物それぞれの心境を巧みに描写しながら生き残るために戦う様を描いていく。特に2巻後半から3巻にかけての電脳を使った戦いはサイバーパンク的見方としては見逃せない。

シャドウラン

筆者:斉木 一馬
角川書店ドラゴンコミックス

超有名サイバーパンクTRPGを元にしたコミックス。サイバーパンクっぽさが強調されているわけではないが、独特の画風でうまく世界観を表現している感じがする。5巻完結

ブラックロッド

筆者:古橋秀之
メディアワークス・電撃文庫

サイバーパンクというよりは、オカルトパンクという言葉が適切な感じがする非常にノリの良い作品。読む勢い、速度がとにかく加速したくなるテンポの良い文体は、それだけで評価に値すると思われる。さらにはオカルティックな要素をふんだんに取り込んだサイバーパンクという世界観が絶妙。これより前の時代を語った続編「ブラッドジャケット」、そして物語の舞台ケイオス・ヘキサの最後の時期を綴った「ブライトライツ・ホーリーランド」の3部作となっている。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか

筆者:フィリップ・K・ディック 朝倉久志訳
ハヤカワ文庫

サイバーパンクが好きだと言いつつ、読みそびれていた一冊である。核戦争後の宇宙移民が進んだ地球で、本物の羊を飼うことを夢見る主人公が、地球に逃げてきたアンドロイド奴隷を追う。
アンドロイドと人間をどうやって区別するかのテストとか、本物そっくりの偽動物(人間と区別できないほどのアンドロイドが作れる技術力があるのだから当たり前か)とか、実際に怪我までしてしまう、宗教的共有現実とか、特に主人公がアンドロイドを追ううちに自分が本当に人間であるかどうか、と自分にアンドロイド判定テストを掛けてしまうというような所まで、サイバーパンクの王道を行く作品である。

プラネテス

筆者:幸村誠 
講談社モーニングKC

サイバーパンクじゃなくてむしろ純然たる未来予想SFなのであるが、面白いので紹介。2074年、宇宙進出した人類はデブリという自らの吐き出したゴミの被害を受けていた。塗装の破片程度のデブリ(ゴミ)がスペースシャトルの窓にヒビを入れる、卵大になれば船の壁に大穴を空ける。それは地球の周りを秒速約8キロという恐ろしい速度で周回しているからだ。ゆえにこんなゴミを回収する業者が存在する。物語の主人公はデブリ回収業者、ハチ、ユーリ、フィーの3人。宇宙を舞台にしたSFっていうとけっこう派手なイメージがあるけども(それはスペースオペラだな)、素朴な味わいのある地に足のついた(宇宙空間が舞台なのに?)SFという印象を受ける。

スノウ・クラッシュ

筆者:ニール・スティーヴンスン/日暮雅通[訳]
ハヤカワ文庫

 コンピューターを理解している人間がサイバーパンクを書くとこうなる、といった印象を受けるハッカー小説。主人公は、仮想空間メタヴァースを作ったメンバーの一人であり、メタヴァース最高の剣士にしてフリーランスのハッカーであるヒロ、そして特急便屋の15歳の少女Y・T。物語は物理世界のドラッグであり、且つコンピューターネットワーク上のウィルスである「スノウ・クラッシュ」をキーに展開していく。古代神話関係の話も出てくることがあるので、なぜか女神転生シリーズをやっていると知った名前の神様が出てきたりする。世間ではこういった90年代のサイバーパンクを「ポスト・サイバーパンクSF」と呼ぶらしい。

ハッピーハッカー

筆者:キャロリン・P・メイネル/ウラジミール[訳]
白夜書房

 副題を「A Guide to( Mostly ) Harmless Computer Hacking [(ほとんど)害のないコンピューターハッカーへのガイド ]という。まさにその通りの本。
ハッキングを題材にした物語を楽しむためにはコンピューターについて知っているほうがより楽しめると思えるので、実際のハッキングに興味はあるけどやっぱり犯罪者にはなりたくないし、どうしたら悪意無くハッキングを勉強できるの?という人にも読んで欲しい。
ハッカー=コンピューター犯罪者、というイメージを払拭するには善良にして開拓心あふれるコンピューター技術者が増えることが望ましい。キミもこれを手にとって少しばかりコンピューターと友達になってみないだろうか?

Hello, world.

Nitro+

 鉄腕アトムは生まれた瞬間から「あれは雲だよ」「あれは木だよ」と教えるだけで理解できる頭脳と心を持ち合わせていた。
しかしこのノベルゲームの主人公は記号着地やフレーム問題を解決しつつ、自己進化する頭脳を持ちながらも「心」は生まれついた瞬間には持ち合わせておらず、人間の感情を調査する中で自らも徐々に感情を学び、人としての心を会得していく。
世界は2020年の設定で非常にリアルであり、様々なガジェットがふんだんに盛り込まれている。
ハッキングを駆使した戦闘シーンなどアクション要素も熱い作品であり、プレー時間をかなり要求される(First Play 15h Over)がSF初心者でもすんなり入れる丁寧さも備えている。
18歳未満購入不可のゲームであるが是非年齢制限解除版を発売して低年齢層にもそのSF感をアピールしてもらいたいものである。


現在レビュー準備中:戦闘妖精雪風


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